昨日は午前中にある企業にご挨拶へ伺った後、午後からは虎ノ門にあります日本財団ビル行われた東京財団週末学校の特別公開シンポジウムに参加しました。
「私たちはここから日本を変えたい 〜首長達と語る地域に最適な行政〜 」をテーマに、千葉県白井市長・伊澤史夫氏、北海道ニセコ町長・片山健也氏、新宿区長・中山弘子氏、長野県泰阜村(やすおかむら)村長・松島貞治氏、亀井善太郎東京財団研究員がモデレーターとして司会進行されました。
的を射た鋭い指摘もあれば、どうなんだろうと感じる話も。何かを具体的に変えようと行動し、結果を実感させる話もあれば、上っ面だけで結局核心については行政に言われるままに話をする。問題があっても言い訳して何も変えないんだろうなと思わせる話もありました。
「(政治行政の)文句をいえばキリがない。しかし、自分たちの地域を変えていけば全国が変わっていくのではないか」との亀井氏の挨拶、4名の首長から地域課題等々の紹介からスタート。
(白井市長) 今も昔も農業の町。都心に近く緑豊かな町と言われている。千葉ニュータウンの開発があり、昭和50年頃には13,000人の町。その後、毎年5,000人増加。人口増加は国内有数の地。現在、62,000人。高齢者も子供も増えている町。地域特性、人口構成を考えた行政運営、どうするかが課題。33年間市役所職員として働き、今市長になった。職員として受けていたニーズと、個々に回って伺ったニーズが異なることがわかった。今、生の声が聞けるようにタウンミーティングを行なっている。
(ニセコ町長) 私も職員だった。18年前に35歳の町長が誕生。元部下だったが、彼は情報共有を進めた。住民の皆さんと同じ質と量の情報を共有すべきだということで進めてきた。そして議論を進めてきた。
行政は情報を小出しにして、いつも自分を優位にして、住民を誘導してきた。そんなことでは住民自治などできるはずがない。管理職会議も内部の会議も全て公開している。批判の声もあった。しかし、公共課題を解決する場が非公開でどうするのか。主権者は住民。それで困ったことはない。
行政幹部からは「住民はエゴの塊である。いったい誰が責任取るのか」という声もあった。住民の皆さんと様々な議論をすると必ず行きつく結論は「子どもたちに借金を残すな」。ゴミ問題などに直面して民主主義だから行きつ戻りつの揺り戻しの議論はある。オープンな中での議論をする。公共課題を解決するため。徹底して公開する。「公開なんかするから困ることになるんだ」との声もでる。最後には反対運動をした人も「納得はできない、でもやむを得ないね」ということで収束した。今、反対運動をした人たちがニセコ町の環境を考える力になっている。
どんな課題でどんな問題に直面しているのか。これを公開せずして解決には向かわない。行政が住民に「なんでも言ってください」と言って、仕事をしているかのように見せることがあるが、情報がなければ住民は言えない。民主主義の実現のために行動すること。
財政民主主義。当事者になるということ。
(新宿区長) 歌舞伎町ルネッサンス
安全安心まちづくりから歌舞伎町ルネッサンスへ。街は経済活動で動いている。マイナスをゼロにすることと共に持続可能な産業・街にしていくことを目指した。
(泰阜村長) 過疎の山村。高齢化率38%。隣の村は58%。合併したところでもスポットを当てればそうしたところはあると思う。65歳人口が減り始めた。団塊の世代がいないので過疎の山村は皆同じ。高齢化によって財政支出がる得ることはない。これが特徴。
私も職員から村長になった。なんでもできると言われたが、そんなことはない。利害調整はそんな簡単ではないしやりたいことができるわけではない。だから鳩山さんもそうだがやめた人は何も言わないほうがいい。やりたいことがあるなら現職の時にやるべき。
情報を共有するほどの力はないが、情報を公開すること。今日の段階でわかっていることはマスコミに対しても住民に対しても公開している。田中康夫氏が県知事として対抗馬に10万票の差をつけて当選した。政治行政の殆どは対抗馬を押した。その時、本当に住民の民意を考えていたのだろうか?と考えた。それを契機にわかっていることは全部だすことにした。そして住民と一緒にやっている。
山村は消えていく可能性ある。30年後に生き残る村を考えている。残っているかどうか。30年後には団塊の盛大もいなくなって、社会保障費もかからなくなっている。そのときに村が残っているかどうか。担い手がかわってものこしていく。NPO、企業、自然体験活動等々。
(パネルディスカッション)
Q;リーダーは最初の100日、3ヶ月が大事。何をやったか?なぜそれをやったか?
(泰阜村長) 村長室をなくした。
(新宿区長) 選挙に出ることを考えたこともなく出ることになった。元都職員。区長と話そう新宿トークをやった。
(ニセコ町長) 職員にメッセージを出した。安いものではなく最大価値を選んでよくする。元気づけの作業をした。
(白井市長) 鉄道運賃問題、ごみ焼却所の問題。若い職員との交流。
Q;100日やってみて、役所の内向きにやったこと、変わったことあったか?
(泰阜村) 職員60人、私に投票したのは1,2割。私が当選したら辞めると言っていた人がいたが、辞めていない。前村長が辞める1ヶ月前に体調を崩した。私は44歳。役場は8時半に仕事が始まるが、職員は8時28分頃到着。役人の通勤車のスピード速く危ないので街では問題になっていた。私自身が早く来るようにした。3,4ヶ月かかって変えた。村長より早くこなければ情報も取れないようにしたりした。今は8時15分には皆揃うようになった。土日も正面玄関開けた。
(新宿) 共有するだけでは人は動かない。共感したときに人は動く。自治の体力は税収を増やすことこと。
(ニセコ) 自由にしゃべる、明るくなったと思う。
(白井) すべてのニーズに行政が応えることは難しい。市民と職員との信頼関係をつくるように努力している。
Q;住民自治 優先順位を決めるのがリーダーの仕事。ビジョンが大事。財政の制約もある。様々な課題のあるなかで、全部はできないが、どのように優先順位をどのように考えているか。
(泰阜村) 財政が夕張といい勝負の時もあった。選挙にでるときに、在宅福祉をやる、というのが私の使命だった。それができなければ存在はないということでやっている。
(新宿) 持続可能な自治 子育て、緑を増やすことに力を入れている
(ニセコ) 集中的にやっているのは未来への投資。環境、教育。成果的な評価ばかりがまかり通っている。相互扶助社会の構築が公共の役割。それを忘れている。そうした観点で優先順位をつけている。
(白井) 放射能影響の大きい地域に指定された。安心安全。今ある危機への優先順位をつけている。今やらねば千葉ニュータウンという事業はあと2年で終息する。国県は撤退。それまでに道路をつくりあげ、調和のとれたまちづくりを完成しなくてはならない。
Q;住民との関係が大事。住民に考えてもらう。行政はサービス機関ではあるが、住民が自分のこととして考えてもらわなければ。苦労話など。
(白井) 市民大学校をやっている。卒業した人が地域のボランティアなどをやられている。そうした仕組みの活用を進めていく。
(ニセコ) サービスという言葉を無くせる街にしたいと思っている。保育サービスというと、ホテルサービスと勘違いされている。サービスとは言わないようにしている。
ニセコでは協働ということばを使っていない。削除した。上から話をするものではない。住民の下に溶け込むようにあるべきなのが行政。参加者の問題ではなく、仕組みの問題。
(新宿) 10ヶ所のミニ区役所あり、町内会も機能している。地区協議会、熟してくるまでやっていく。参加してくれと言っても参加しない。町会、育成会、消防団などがあるから地域がうまくいっているということを分かってもらうようにしている。
(泰阜村) 山村は地域コミュニティがあっていいな、と言われるがそんなことはない。また、土地を離れずことができずに対立を引きずりながら生きている人も多い。でも生きていくためには必要であり、まとめ合っている。雪をかくのは行政だと思っているが、実際はやるしかないから皆でやっている。共感というがそうでもない。
学歴、知識レベルの高い人。何を持って優秀かもあるが、本当の優秀とは何か。田舎は優秀な人は外に出ろとやってきた。合併問題で議論してきて、住民は自分の利益はOKだが反対はダメ。その利害調整が行政。それを超えたところで考えるのが首長であり議会。住民の力を頼りにできないものがある。だからなんとか頼むよ、という持ちつ持たれつも出てくる。
(ニセコ) 私は民間から入ってきたが、行政からの情報が出ていない。小さい頃か政治や行政に関わることがない。役所ではお金がないことについてもシビアな議論がない。
(白井) 事業仕分けやった。無作為抽出で市民を選んで判定人30数人来てもらった。結果、「初めて仕事を知った」「全然、税金がうまく使えていないことがわかった」などの声がでた。サイレントマジョリティの声を得ることができた。同じ出発点にたつということで情報公開、共有は大事。
Q;情報の垂れ流しもある。嫌な情報を洪水の中に沈めてしまうこともできる。住民の皆さんからみて判断できる情報提供の仕方も大事。
Q;(質問会)住民主体を進めた時の議会の役割について
(泰阜村) 選択制にして欲しい。シティマネジャー制度、議会の中から首長を出すことでいいと思う。
(新宿) 議会の役割は住民代表であり、立法権を果たし、考えていくもの。
(ニセコ) 情報公開を進めればすすめるほど議会は大事になる。議会の議決権が重くなる。
(白井) 首長も議会も市民の声を聞いてやっていく。健全な二元代表性が大事。
(亀井) 議会が市民の声を集め、情報共有を進めること。住民自治を大事にしているのが日本国憲法。
Q;(質問会) 町内会の利用法について。住民の声が反映されてないことがある。
(白井) 90ほどの町会があるが、小学校学区単位で集まり、地区の問題点を話合い解決策を間gな得る仕組みにしている。
(ニセコ) 地方分権が進んでいくと思うが、各自治体でも地域内分権をすすめるべき。会長に一任にはならないと思う。
(新宿) 町会とともにNPOが大事。NPOとの協働を行っている。強みを活かす自治、担い手を作る。
(泰阜村) 区長の意見をよく聞けと言っている。
Q;最後に2つ聞きたい。これからどうしていくか。そして、今日の進歩で印象に残ったことは?
(白井) これから益々地方の区別化が進んでいくと思う。国県の指導がなくなり、地方の競争が進んでいく。市民が市町村を選ぶ時代になっていく。競争が激しくなるだろう。
印象に残ったのは、全然違う街の首長。切り口違うが、共通点があると思った。
(ニセコ) 1700の自治体あるが、地方分権が止まらないかと心配している。各自治体が政策提言をした方がいい。水環境の条例作った。反対もあるがやっていく
気になったのは、次の選挙もある、、、という首長はよくない。次の選挙のことを考えるのは意思決定を左右することになる。
(新宿) 多様性を引き受けていくしかない、多文化共生の施策を進めていく。自分たちのことを自分で決めていくことだと思う。私も「サービス」という言葉に違和感があった。
(泰阜村) 消極的な意味で合併しなかった。在宅介護、東京は金があるからできるだろう。
山村は学校をまとめていくにはどうすればいいか、頭を悩ましている。東京と山村は全く違う。
国は泰阜村のことを考えているわけではない。自分たちでやるしかない。
次の選挙に出ようと考えてからは危ないことはやらなくなる。良くないことだと思う。
情報の共有化を目指さなければならないのかな、と今日は感じた。
(亀井) 多様性を引き受けるのは大変なんだ。でもそうしなければいけない。地方分権が止まらないか心配、確かにそうだ。国がやるものではなく、地方が言っていくこと。皆が当事者。最後は自分に返ってくる。
この模様はUSTREAMでインターネット中継されましたが、そのうちHPにアップされると思います。
http://tkfd-shumatsu-gakko.jp/こうした話を伺っていつも感じることは、厳しいところほど首長が住民の力が発揮できる環境を整え、住民に喜ばれる目に見える成果を出しているということです。そうでないところは誰の満足のために税を使っているのかわからないことが多々あります。日本のような成熟した民主主義の国においては、大都市であろうとなかろうと、住民自治の進捗というのは住民満足度に直結するということを感じます。大変勉強になりましたし、色々考えさせられるひと時でした。
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