2019年08月01日

「行政の無謬性」と「柔軟性」について 4651

昨日は五大市研究会の視察で大阪府咲洲庁舎(旧WTC ワールドトレードセンタービル)、夢洲にある2025年大阪・関西万博会場予定地と共に、大阪城公園のパークマネイジメント事業について伺いました。

WTCは大阪市と民間が出資した第三セクターが貿易拠点とすべく1200億円をかけて1995年に完成させた高層ビル。バブル後に完成しテナントが入らず赤字経営が続き「バブルの塔」と呼ばれていました。2004年に1度目の破産、2009年には会社更生法の適用を申請し2度目の破産。すでに老朽化していた大阪府庁舎は新庁舎を建てずに耐震補強工事を施すことが決まっていたのですが、橋下知事が就任してそれをとりやめ、WTCを安く買って新庁舎にすることで検討を開始。しかし、アクセス、防災、周辺の開発計画などの問題から府議会は反対。その後、紆余曲折を経てWTCの買い取りが実現。買い取り額は90億円。現在は民間のホテルやテナントを入れると共に、大阪府の庁舎として活用されています。

知事と議会との衝突などがよく取り上げられていましたが、大阪に限らず全国的にも問題として取り上げられたのは、三セクを使った「税金のムダ使い」。今ではそういうこともないとは思いますが、負の遺産から学ぶべきものがあります。

その後、WTCの50階から見た、大阪万博開催地・IR誘致予定地「夢洲」の現場へ。ユニバーサルスタジオジャパンと同じ此花区。この地域、「夢洲」「舞洲」「咲洲」の3地域で構成され、6000億円をかけて開発。元々ごみの埋め立て地ですが、活用がうまくいかない状況が続いていきました。只、大阪万博・IR誘致で活用されるチャンスが巡ってきています。

余った土地を万博などで活用したい大阪市と、カジノ投資をしたい外資の思惑が一致して進んでいる話と受け止めましたが、それにしても市街地中心部からかなり遠いです。周辺にほとんど何もない。現状の課題について伺った大阪市の方からは、夢洲へのアクセスについて、今後鉄道駅を設置するとともに、橋にかかる4車線道路を6車線にするとの話がありましたが、それでも足りるかどうかとの話がありました。他方、経済効果の見通しは「USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)がもうひとつできるくらいの(年間1千億円以上の)インパクト」とのことでした。

その後、大阪城公園へ向かいパークマネジメント事業の視察。従来、公共が管理していたものを、指定管理の枠を超えて、開発、運営、経営までのすべてを民間が担うというもの。例えば、大阪城公園前駅から公園内への直通デッキ建設や、公共ではできない各種レストランのを運営、未利用建造物を活用してのイベント開催など、来場者が楽しむことのできる環境づくりがあらゆるところに施されていました。過去にはなかった、PMO事業(パークマネジメントオーガニゼーション)の導入が大きなプラスの変化をもたらしていました。民間団体との20年契約(通常の指定管理者は5年)で5年ごとの見直しと期間を通じての改善を通して費用を回収していく仕組み。来場者はPMO導入前の年間180万人から、外国人観光客の増加もあって今は250万人に。かつては大阪城の学芸員の人件費年間約8千万円などがかかっていたが、今はそれらを差し引いても年間約2億円の収入が大阪市に入っているとのこと。柔軟な発想と決断がマイナスをプラスに変えた事例かと思います。

「行政の無謬性」との言葉があります。「行政は間違いを起こさない」との考え方。ありえない話ですが、確かに一度決めたことは間違っていても中々変えないという傾向があります。以前、日経新聞の記事にありました。「官僚が無謬であるべきだという思いは、確かなものを求める国民の自然な心の動きだが、究極的には全体主義をもたらすような不健全な信念だと心に刻むべきだ。自由な民主主義国家では「官僚は失敗する」という可謬性を前提に政策を論じたい。」行政の仕事、しっかりとチェックしていかねばなりません。

一方で、柔軟に見直す力を発揮する自治体も増えいます。人も、組織も、変化する。より良くなるよう取り組みを進めます。

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posted by 横浜市会議員 行田朝仁 (ぎょうた ともひと) at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする