2012年11月02日

関西大学へ 減災対策について 2173

昨日は減災対策推進特別委員会の行政視察で関西大学に伺い、社会安全学部の先生方から講義を頂きました。インプットがなければアウトプットもないということで学生時代に戻ったように机に向かったわけですが、大変勉強になりました。素晴らしい先生方。生徒の皆さんも幸せだと思います。今後に活かしていきたいと思います。全ては書ききれませんが、以下はメモです。

阪神淡路大震災を契機として平成22年に設置された同学部。学部長の小澤守教授から自然災害だけでなく関西地域で発生した事件・事故も含めた事象を通し、事故が起きる原因について指摘した後、同学部がつくられた理由を説明。安全・安心をデザインできる社会貢献型の人材の育成をめざし、防災・減災を中心に文学以外の分野学問を集約し設置。世の中にでたら文系も理系もないとの考え方の下、事故のシュミレーション、被災者の救援と支援など文系・理系を融合し、政策立案できる実践型の学問を進めているとのこと。

次に、具体な対策として「防災教育から防災共育へ」と題し自然災害の専門家でもある城下英行助教授の講義。「釜石の軌跡」はなぜ起きたのか。群馬大学・片田教授の言葉「想定だけを信じるな」「率先避難者たれ」「ベストを尽くせ」。ここから学ぶべきものは何かとの視点から展開。

我が国の防災対策の歴史の分析。

第1の時代(〜1961年) 不十分なハードウエア対策による被害(発展途上国型の時代)

第2の時代(1961年〜1995年) 61年に災害対策基本法が成立し予算を投じて防災対策が行われ、理工系研究者と防災実務者という専門家が犠牲者減少に大きく貢献した。しかし、安全な社会がつくられたという幻想を抱いた時代でもあった

第3の時代(1995年〜) 阪神・淡路大震災 専門家だけでは難しいということがわかった。家族、近隣住民に救われた方が3/4。行政には限界がある。そして、対策中に発生したのが戦後日本の災害史上かつてない被害をもたらした東日本大震災。

様々な問題点が指摘されているが、専門家の力不足が大きい。理工系の防災だけなでなく、人文社会系の防災推進が必要。また、社会全体で「専門家が作ったものだから大丈夫」といった専門家への依存体質を変えていかなくてはならないと指摘。

阪神淡路大震災の時、「(行政が)ただちに避難してください」と発信したにも関わらず、すぐに非難しない人が多かった。何をしていたか?一番多かったのが「家でテレビやラジオなどを聞いていた」とのこと。避難が遅れる原因に「情報が専門家から与えられるだろうと思っている」点が挙げられると指摘。情報が多すぎて適切な判断できない場合がある。

「防災教育の問題点」として時間不足、教材不足、教員の知識不足、研修体制の不足が指摘されているが、防災教育とは災害を防ぐための意図的な働きかけのことであり、知識の詰め込みではない。

「専門家が防災を担ってくれるだろう」という発想が強くなるのはよくない。知識を行動に結びつけるという発想を転換する必要あり、「参加型防災教育=防災共育、防災学習」が必要。

消防士など専門家とともに防災活動をする場を作る必要がある。

防災教育は知識を伝えることだけではない。本物の活動に参加することで一方通行ではなく、専門家と一般市民が一緒にものをなす活動を通じて防災、災害について双方が「意味」を創りだす作業が可能になる。防災教育から防災共育へ。

岩手県の学校にいた子供は一人も死者がでなかった。この「釜石の軌跡」は防災共育が実践されていたことにあるとのこと。

例えば、消防局の仕事の一部を市民向けの活動としてやってみて、できないといざという時に良い結果に結びつかない。

学校の意味。保護者が求めているもの。学校が求めているもの。防災についてもそれぞれ異なる場合がある。保護者が学校の活動に参加することで実感する。学校とはなにかという意味を共有することによって前に進む。ブラックボックスを透明に変えていく作業が必要。互いに磨いて透明にする。今は見えない中身を憶測で判断しているところがあるのではないか。

「防災心理学」について元吉忠寛准教授の講義。減災と同じ考え方とのこと。ここ20年、日本はネガティブなニュースに振り回されている。様々なリスクと向き合っているが、精神的ストレス、あまり心配しすぎても体に悪い。しかし、何もしないのは困る。日常に潜むあまり注目されないリスクの方が危険が高い場合も多い。それよりも自分にとって解決できるんだという「対応力」をつけることが大事。

神戸、仙台、東京、新潟で地震に備えている行動について行ってきた調査結果を紹介。震災があっても災害対策は飽きてしまって10年程度しかもたないということがわかる。地域防災への参加を見ると、10年たつと下がるということがわかるが、情報を出し続けると継続される可能性は高い。防災活動のイメージとして、同じメンバーばかりとか、働いている人は参加できなどの声は多い。

リスク認知によって災害リスクを理解してもらうことはできる。しかし、対策を促進するためには対策そのものに対する「認識」や「規範意識」や「コントロール感を明確に」する必要がある。

防災力向上に必要なポイントは「ネガティブ情報は無視」「自分にとってプラス」「自尊心や愛着を高める」。

このポイントは防災力向上に限らない指摘のようにも感じました。

減災と健康 長い目で見ると地域住民の健康をどう作るかが大変重要になる。健康増進が減災につながる。単に防災ではなく健康増進の方が大事。

フレーミング効果 ポジティブに表現するか、ネガティブに表現するかで影響が異なる。「災害を防ぐために行動しよう」というより「安心を獲得するために行動しましょう」の方が安心。

防災(減災)とは正しく恐れることではなく安心を獲得し、自信をつける機会だと認識する。

自然災害やテロなどを特別視しないこと。生命を守るためには、たばこ対策や食生活の改善などの改善による健康増進の方が影響が大きい。

わかっているように思っていて、実はわかっていない。勉強になりました。

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posted by 横浜市会議員 行田朝仁 (ぎょうた ともひと) at 00:00| 神奈川 ☀| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前略
お世話になります。
危機管理アドバイザー(防災士)の尾下と申します。
現在、「防災・減災社会の構築に向けて」を主軸に講義(大学・専門学校)・講演(全国各地)活動中です。
南海トラフ巨大地震では、1週間分の食料や水の備蓄が必要とされています。災害サイクルに3という数字(3分・3時間・3日間)のフェーズで対策を呼び掛けていますが、これからの災害サイクルは7(7秒・7分・7時間・7日間)となります。一人ひとりが生き抜くためには、地域で、企業で、自治体で、巨大地震と真摯に向き合い、「事前防災」を主軸に、防災対策と防災行動力を強力に推進することが喫緊の課題ではないでしょうか。
阪神・淡路大震災以後「7(自助):2(共助):1(公助)」の法則が定着しています。しかし、東日本大震災のトリプル災害や南海トラフ巨大地震のような広域災害では、基本的に「自助」を主軸に、「6:3:1」へと転換を図リ、自助と地域の共助体制を強靭にして、災害から我が身、我が家、我が地域を守ること。そのためには、普段から良好なコミュニケーションを図り、人と人との強い絆で防災協同(協働)力を身につけることが大切です。
防災・減災対策は机上の空論(原理・原則)に終始せず、予想と実践と交互に繰り返して、その都度予想の間違いを修正しながら整合性のある理解を積み重ねて、東日本大震災の教訓を学び地震への備えと最新の知見等を踏まえて、防災リテラシー(災害から生命・財産を護る対策)を具体化(見える化)して、減災社会の構築(build a society mitigation)を推進することにあります。「不意の地震に不断の用意」の関東大震災の標語は、大地震から90年経つ現在も色あせていません。「尊厳ある生を守る」には、災害を知り、地域を知り、災害を正しく恐れて、減災に取り組む人づくりの育成が重要です。安全と安心の構築は、防災教育(共育)にあります。つまり、「互教互学」の精神で、後世にしっかりと受け継いで行くことが我々に与えられた使命であることを自戒しなければなりません。私は日々研鑽を重ねより一層鋭意努めて参ります。ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。 尾下拝

Posted by 尾下義男 at 2013年06月03日 20:30
ありがとうございます。行田
Posted by 行田朝仁 at 2013年06月03日 21:40
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