2020年10月16日

「なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか」について 5092

今週、日華親善横浜市議会議員連盟の講演会が行われ、元朝日新聞記者で現在大東文化大学特任教授のジャーナリスト・野嶋剛氏が、自著「なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか」(扶桑社新書)を通して講演されました。

人口2400万人の台湾の感染者は527人、死者7人。1億2千万人の日本は、感染者約8万人、死者1600人。日本のそれは世界的にも最少レベルではありますが、人口比6倍としても、あまりに差が開いている現実。WHOにも国連にも加盟していない台湾がなぜ防ぐことができたのか。

同氏は同著の執筆動機について、台湾のコロナ対策に関して多くの肯定的反応が広がったこと。日本のコロナ対策に何か物足りない「モヤモヤ感」が残った。それらを検証し日本へのサジェスチョンを目指したとのこと。興味深い話が展開されました。下記はメモです。

<台湾のコロナ対策成功の背景>

1.リーダーシップと有事感覚 適材適所で優れた人材が躍動していた。

感染症対策は大災害と並んで有事オペレーションが絶対に必要な分野であるとの認識の下、有事体制そのものでコロナと対峙した。世界の常識として、「感染症対策は戦争である」というものがある。日本の違いは初動の有事感覚とのこと。

2.失敗の経験の反省と教育を活用

@SARSの反省から、初動の重要性を徹底した。昨年末の12月31日の24時間の対応が感染症対策として後々に生きていった。この時に日本では何の反応もなかったが、台湾では武漢での感染拡大を察知し、現場の声を受け止め、緊急臨時閣議が開かれ、武漢発フライトの検疫強化などの方針を決定、中国の状況確認、WHOへ報告。その後、国民に向けて警戒を呼び掛けたとのこと。

A2003年に感染を拡大させ、対策を失敗したSARSでの苦い経験を生かし、組織体制も米国のCDCを模倣し、非常設の緊急組織設置。中央感染症対策センターのトップも指揮官として活躍した。

Bマスクの自主生産体制を確立。90%を中国からの輸入に依存していたが、パニックを阻止するため、即刻日産1500万枚にした。

◎有事を否定しないことが大事。日本の大きな問題と指摘されていた

3.民主主義の健全な機能

@SNSを活用したプッシュ型の情報発信

Aデマ、隔離違反への厳罰

B有権者の政治への監視の目が効いている

大変勉強になる講演でした。

個人的には、2000年〜2006年の6年間は中国大陸(蘇州市)に駐在していて、SARSの感染拡大と社会の変容を、現場で見て感じていたのですが、台湾も同じように大きなダメージを受けていました。幸いにして日本は水際で抑え込み、感染症の拡大を経験せずに済んだのですが、一方で日本は過去の経験がなかっただけに、検査体制などコロナのような感染症への準備ができていなかったとも言えます。

日本ではここ30年間で、横浜市も含め、保健所の職員は半分になっています。長期にわたり感染症の拡大を経験せず、他の地域で感染拡大しても、日本には殆ど影響がなかったため、それほど大掛かりな組織がなくても大丈夫と判断していたのかも知れません。

また、保健所等の体制維持とはならなかった背景に、国民の声に後押しされた行政改革があったことも事実かと思います。このあたりの判断は難しい。不人気であてっも決断すべきことがあるということかと思います。

因みに、約17年前のSARS終息時に、公明党は日本にも米国のようなCDC(疾病予防管理センター)をつくるべきだと国会で主張していましたが、政府には受入れられませんでした。隣国でのSARS拡大も、日本にとっては喫緊の課題として認識されなかったのだろうと思います。

しかし、ウイルスの変化は続いており、すでに日本人の想像を超えているのかも知れません。

今はまだコロナの渦中にありますし、終息を目指して乗り越えていかねばなりません。

台湾は17年前の経験を無駄にすることなく、感染症を「有事」と捉え、ソフト、ハード両面で、指揮命令系統や組織的な動きも明確にしながら、徹底した対策を打った結果、今回のコロナとの闘いでは、他では真似のできない防御ができたのだと思います。

日本でも今回の経験をどう生かすか。政治が試されます。

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posted by 横浜市会議員 行田朝仁 (ぎょうた ともひと) at 00:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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